Shinichiro HIDA twitter:_shinichiro
Created: Thu, May 11 15:50:58 JST 2023
Last modified: Fri, Jun 09 21:25:40 JST 2023

あれこれ..

Granberg G106B(改)でスクエアグランドファイリングしてみて

横刃目立て角がバックスロープ気味になってしまう..
ファイルのひねり角を少し寝かしてみてください。チゼルカッター外角にファイルのコーナーが合うようにするために必要なら他の角度も調整してみてください。
横刃目立て角が 90°にならずにフック気味になってしまう..
ファイルのひねり角を少し立ててみてください。
横刃目立て角を決める目安ってあるの?
ファイルの横刃部分をカッターのサイドプレート位置の真上から見て、真下へ直線になっていれば、横刃目立て角はほぼ 90°になります。下側が外へ開いていればフックに、下側が内へ入っていればバックスロープになります。
上刃目立て角が 20°くらいになってしまうんだけど..
上刃目立て角は 20°くらいがベストです。使っているファイルのワーキングコーナー角(サイドプレート面とトッププレート面の間の角度)、ファイルのセット角で変わってきますが、狙うのは 20°くらいがベストだと思います。縦引きや製材などで 5°~10°~15°くらいにしたい場合はワーキングコーナー角の狭いファイル(Vallorbe シングルベベルやダブルベベル) を、25°~30°に近い角度が欲しい場合は、ワーキングコーナー角の広いファイル(BAHCO)を使うと良いでしょう。
また、ファイルのひねり角を寝かす起こすことでもコントロールできます。ただ、同時に横刃の角度、上刃切削角も変わってきますので、各角度のバランスをとって調整してみてください。
タイストラップやドライブリンクが削れてしまうんだけど、大丈夫?
タイストラップやドライブリンクが削れてしまうのはある程度はやむを得ません。 そこを削らないことにはワーキングコーナー内側の角に研削ラインが通りません。3/8ピッチ, .063"/1.6mmゲージのカッターなら問題ないと思いますが、背の低い ピッコ Picco、ロープロファイル の STIHL 63PS などのカッターではどうしてもタイストラップやドライブリンクへの干渉が強くなってしまいます。できるだけ横刃部分の幅が狭いファイルを選択し、ファイルの角度を調整してタイストラップやドライブリンクへの干渉が小さくなるようにしてください。3/8p ロープロファイルのカッターのワーキングコーナー内側の角へラインを通すのは厳しいと思います。リベット周囲を削りすぎると、そこから破断してしまうことがありますので、十分に注意し、手加減してください。 (63PS 2本切った経験があります。ドライブリンクのリベットホール部分で破断していました..)。
ダブルベベルとスリーコーナーでも干渉する場所、度合いが変わってきます。手元の環境では、ロープロファイルのソーチェンには PFERD のスリーコーナーは干渉が強すぎて使えませんでした。3/8 フルサイズなら PFERD のスリーコーナーでも大丈夫です。Vallorbe のダブルベベルがわずかに幅が狭そうなので、ロープロファイルカッターには良いかもしれません。ソーチェンとファイル、ファイル角度の組み合わせで変わってきますので試してみてください。PFERDのカタログに、ダブルベベルは .325用、スリーコーナーは 3/8 用と書かれていました。ただ、3/8 フルサイズのカッターであってもダブルベベルでいけます。
.325 ピッチの STIHL 23 26RS, Oregon 20 21 22LGX、LPX あたりは手元に環境がなくてテストできてません。カッターの背の高さがあればある程度逃げられると思います。PFERD のダブルベベルはカタログによると、 .325 ピッチのソーチェン用として設定されているようです。
高さ制限のネジが効かずファイルが低く入りすぎてしまう。
背の高いカッター、Oregon の 72,73,75EXL あたりではそうなることがあります。ベース部の取り付け位置を少し高くして、ソーチェンの横触れ止め金具がリベット上端あたりにくるようにセットしてみてください。手元で Oregon 72EXL (3/8", .050"/1.3mm) を BAHCO のダブルベベルでテストしてみたところ、横触れ止めがリベット上端あたりで、水平方向 35°、チルトアングル 30° にしてうまく研げました。